治療と手術

HOME | 治療と手術 | 加齢黄斑変性

加齢黄斑変性


1.加齢黄斑変性とは?

加齢黄斑変性は、網膜の下の脈絡膜から新生血管ができる疾患です。加齢が原因で起こる眼の病気ですが、早い方では40代でも発症します。
 
黄斑(おうはん)とは網膜の中央にある、ものを見るために一番重要な部分です。ものの形、大きさ、色、立体性、距離などの光の情報の大半を識別しています。この部分に異常が発生すると、視力が低下したり、ものの見え方に支障をきたりするようになります。
 

 
欧米では失明の主要な原因として以前から知られていましたが、日本では、失明という深刻な事態を招きかねない病気であるにもかかわらず、一般にはまだ良く知られていません。
50歳以上の方は、約70万人が加齢黄斑変性であると推測されています。

2.加齢黄斑変性の症状とは?

 
加齢黄斑変性になると、見たいところが見えない、読みたい文字が読めないなど、日常生活に支障をきたします。網膜(もうまく)とは目をカメラに例えるとフィルムにあたる所です。加齢黄斑変性はその網膜の真ん中である黄斑(おうはん)におこります。したがって視野の真ん中が見にくくなります。


主たる症状としては


・ものがゆがんで見える
・視界の中心が暗く見える
・視界がぼやけて見える
・ものの見え方が不鮮明になる
などがあげられます。片方の目から発症することも多いため、病気に気づきにくく、加齢のせいにしてそのままにしてしまうケースも少なくありません。
 

 

発症しやすい人について


加齢黄斑変性は、年を取れば誰にでも起こる可能性のある眼の病気です。
加齢黄斑変性の発症のリスクを高めることとして、喫煙/肥満/日光を浴びることなどが報告されています。
 
特に有名なのは喫煙で、喫煙による酸化ストレスが眼に蓄積すると、加齢黄斑変性の原因になる炎症を引き起こすといわれています。加齢黄斑変性の予防や、発症してしまった方が進行を遅らせるためには、禁煙が非常に重要です。

3.加齢黄斑変性の種類

加齢黄斑変性は、脈絡膜から発生する脈絡膜新生血管の有無で「滲出型(しんしゅつがた)」と「萎縮型(いしゅくがた)」に分類されます。滲出型加齢黄斑変性と萎縮型加齢黄斑変性には、下記のような違いがあります。


【滲出型加齢黄斑変性】

 
脈絡膜新生血管が発生し、出血することにより網膜が障害されて起こるタイプ。進行が早く、急激な視力低下や中心暗点を自覚することが多い。


【萎縮型加齢黄斑変性】

 
黄斑の加齢変化が強く現れた状態で進行が緩やかな為、気づかない人もいます。視力もあまり悪くなりません。
 

治療法

 
・抗血管新生薬療法(※日帰り手術の硝子体内注射参照)
 

 
・光線力学的療法
・レーザー光凝固術
・内服薬
・サプリメント(オキュバイト・ルタックスなど)

4.硝子体内注射とは?

薬剤を白目の部分から眼内の硝子体という場所に注射をします。
主に、加齢黄斑変性症に対し行います。
 
加齢黄斑変性症とは、物を見るときに一番大切な黄斑部が年齢的な変化により組織が変性していくという病気です。

5.硝子体内注射の種類

・ルセンティス
・アイリーア

これらは、脈絡膜新生血管の成長を活性化させる物質の働きを抑える薬剤です。
硝子体内に注射することで、新生血管の増殖や成長を遅らせ、視力が低下する速度を
緩やかにすることが、期待されていています。

例えば、ルセンティスの治療内容としては、月に1回ルセンティスを白眼の部分から、眼の中の硝子体に注射をします。
この注射は間隔をあけて3回繰り返します。その後は、眼の診察や検査で症状をみながら、必要に応じて注射します。

検査は必要により月に1回、視力検査と眼底検査、場合により光干渉断層撮影(OCT)等を行います。